Appendix A5. 散乱因子 (Scattering Factor)¶
Scattering Factor は、選択中の結晶について許される結晶面(反射)の一覧を作成し、それぞれの 構造因子 と回折強度を計算します。放射線の種類(X線・電子線・中性子線)を切り替えられるので、同じ結晶の構造因子を回折手法ごとに比較できます。
IPAnalyzer では、パラメータ校正で用いる標準結晶を定義する Crystal ウィンドウ(4. 実際の手順 の幾何学的校正や 6. パラメータ校正(力ずく) で開く CrystalControl)の中から、このサブウィンドウを開けます。
ウィンドウ上部に計算条件、下部に反射の一覧表が並びます。条件を変更すると表は即座に再計算されます。
キーボード・マウスショートカット¶
このウィンドウに特別なキー/マウスの組み合わせはありません。F1 でこのマニュアルページが開き、Copy to clipboard で反射の一覧表全体を表計算ソフトに貼り付け可能なテキストとして書き出します。
波長コントロール¶
- X線 / 電子線 / 中性子線 : 原子散乱因子は入射線の種類によって異なるため、ここで切り替えます。
- X線 の場合は 元素(アノード材)と特性線(Kα など)を選ぶと、その特性X線の波長が自動的に設定されます。
- エネルギー(keV) と 波長(Å) は相互に連動します。
- 2θ(回折角)の計算にこのエネルギーや波長が使われます。X線では元素・線種の選択でも設定できます。
表示・計算オプション¶
- 粉末回折(BB光学系)強度 : 多重度・ローレンツ偏光因子を含む粉末回折(Bragg–Brentano 光学系)の強度として相対強度を計算します。オフのときは構造因子由来の強度を表示します。
- 等価な面は非表示 : 結晶学的に等価な面を 1 つにまとめて表示します。
- 消滅する面は非表示 : 消滅則で強度ゼロになる面を一覧から除外します。
- 単位(Å / nm) : 面間隔などの長さの単位を切り替えます。
- d値の下限 : これより小さい d(面間隔)の反射面を一覧から除外します。
反射一覧表¶
各行が 1 つの反射(または対称等価な面のグループ)に対応します。
| 列 | 意味 |
|---|---|
| h, k, l | ミラー指数 |
| Multi. | 多重度(対称等価な面の数) |
| d (Å) | 面間隔 |
| q (2π/d) | 散乱ベクトルの大きさ |
| 2θ (°) | 選択した波長に対する回折角 |
| F_real | 構造因子の実部 |
| F_inv | 構造因子の虚部 |
| |F| | 構造因子の振幅(\(= \sqrt{F_\text{real}^2 + F_\text{inv}^2}\)) |
| F^2 | 構造因子の強度(\(\lvert F\rvert^2\)) |
| Rel. Int. (%) | 最大反射を 100 とした相対強度 |
クリップボードにコピー¶
クリップボードにコピー で、一覧表をExcelなどの表計算ソフトへ貼り付け可能なテキストとしてクリップボードにコピーします。
関連項目¶
- 付録トップ
- 4. 実際の手順 — 構造因子の計算対象となる標準結晶の定義。
- 6. パラメータ校正(力ずく)

