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付録

この付録は、IPAnalyzer が 2 次元の回折画像(デバイ–シェラー環)を高精度な 1 次元プロファイルへ変換する際に用いている 幾何学とアルゴリズムの理論的背景 をまとめたものです。操作手順や各機能の使い方は本編(0. 概要4. 実際の手順 など)を参照してください。ここでは、その背後にある座標系の定義・座標変換・パラメータ決定法・積算アルゴリズムを数式とともに説明します。

内容は、配布パッケージに同梱されている旧資料 doc/IPAnalyzerAlgorithm.pdf と現行の実装に基づいています。

付録の構成

  • A1. 検出器の幾何と座標変換 — 右手系座標の定義、IP の傾き(\(\varphi,\ \tau\))を表す回転行列、画素形状(\(\mathrm{PixSizeX},\ \mathrm{PixSizeY},\ \xi\))の補正。
  • A2. パラメータの決定 — スタンダード物質を用いた、カメラ長・波長・画素サイズ・IP 傾きの校正法(2 距離法、2 線法、楕円フィット)。
  • A3. 画像の積算 — 画素強度を角度ステップへ配分する面積分配アルゴリズム。

座標系(共通の参照図)

以降の各ページは、次の座標系を共通の前提とします。原点は IP 上のダイレクトスポット(ビームが IP と交わる点)、\(Z\) 軸はビーム進行方向、サンプルは \((0,\ 0,\ -\mathrm{CL})\) に位置します。

IPAnalyzer の座標系。IP(イメージングプレート)、X / Y / Z 軸、デバイ環、傾き角 φ・τ、サンプル (0,0,−CL)、カメラ長 CL、回折角 2θ、波長 λ、画素形状(PixSizeX, PixSizeY, ξ)を示す。

おもなパラメータ

記号 名称 意味
\(\lambda\) 波長 (Wave Length) 線源の波長。特性 X 線では既知、放射光ではモノクロメータ位置で変わるため都度決定する。
\(\mathrm{CL}\) カメラ長 (Camera Length) サンプルと原点(ダイレクトスポット)との距離。サンプル位置 \((0,0,-\mathrm{CL})\)
\(\varphi,\ \tau\) 傾き (Tilt Correction) IP の光軸(\(Z\) 軸)に対する傾き。\(\varphi\) は XY 平面内の傾き軸の方位、\(\tau\) はその軸まわりの回転角。
\(\mathrm{PixSizeX},\ \mathrm{PixSizeY},\ \xi\) 画素形状 (Pixel Size) 画素を平行四辺形として表す。\(\xi\) は読み取りレーザーのスキャン開始点のずれ(歪み角)。

これらの値は、プロパティウィンドウの IP Condition タブで設定します(2. プロパティウィンドウ を参照)。