コンテンツにスキップ

ReciPro マニュアル

概要

  • ReciProは、MITライセンスで配布されている無料のソフトウェアです。様々な結晶学的計算や電子顕微鏡シミュレーション機能を提供します。
  • 2020年3月のGitHub公開以来、累計27,000回以上ダウンロードされ、多くの結晶学者・電子顕微鏡研究者に利用されています。

目的別に探す

目的 最初に読むページ 次に使う主な機能
結晶を読み込んで方位を合わせたい メインウィンドウ 回転ジオメトリAppendix A1. 座標系
結晶構造を3Dで確認したい 結晶構造ビューア 対称性情報
SAED / XRD / PED / CBED を計算したい 回折シミュレータ SAEDX線回折PEDCBED
HRTEM / STEM 像を計算したい HRTEM/STEMシミュレータ HRTEMSTEM
EBSDパターンを計算したい EBSDシミュレーション 電子飛程Appendix A3. EBSD の計算
実験回折像を指数付けしたい Spot ID v1Spot ID v2 回折シミュレータ
動力学計算の式を確認したい Appendix A3. Bloch波法 動力学計算CBEDSTEMEBSD
空間群記号や群・部分群の関係を理解したい 2. 対称性情報 Appendix A4. 対称性と空間群空間群記号と模式図群・部分群の関係

主な機能

  • Full GUI : すべての操作はグラフィカルインターフェースで行います。ファイルの入出力はドラッグ&ドロップに対応。
  • 結晶リスト : 複数の結晶をまとめて管理。結晶ごとにウィンドウを開く必要はありません。
  • 空間群データベース : International Tables Volume Aの230空間群+530個のHall symbolを内蔵。対称要素、ワイコフ位置、消滅則を含みます。対称要素と一般位置を International Tables Vol. A 様式の模式図として描画できます(対称性情報 参照)。
  • 原子情報 : H (1) 〜 Cf (98) の元素について、散乱因子(X線・電子線・中性子)、特性X線エネルギー、同位体比などを内蔵。
  • フレキシブルな結晶回転 : 晶帯軸・結晶面の指数による設定、マウスドラッグによる任意方位回転。三方晶・六方晶ではミラー・ブラベー指数(4指数 hkil)表記に対応。回転状態は全シミュレーションウィンドウで同期。
  • 回折シミュレーション : 運動学的・動力学的(ブロッホ波法)電子回折、X線回折(歳差カメラ・後方ラウエカメラを含む)、歳差電子回折(PED)、収束電子回折(CBED)。TEMホルダーシミュレーションで回折図形とホルダー傾斜角を連動。
  • HRTEM / STEMシミュレーション : 部分コヒーレンスモデルを含む高分解能TEM像シミュレーション、熱散漫散乱を含むSTEMシミュレーション。
  • EBSD・電子飛程 : EBSDパターンシミュレーション、モンテカルロ法による電子飛程(電子軌道)シミュレーション(電子飛程 参照)。
  • スポット指数付け : 実験回折像からのスポット自動検出・フィッティング・指数付け(Spot ID v1/v2)。
  • マクロ : Python構文のマクロによる操作の自動化(マクロ 参照)。
  • ライト/ダークテーマ : UIはライト/ダークのカラーモードを選択できます。

動作環境

項目 最低要件 推奨環境
OS .NET Desktop Runtime 10.0 が動作するWindows(ARM64版Windowsにも対応) Windows 11
GPU OpenGL 1.3対応 OpenGL 4.3対応の外付けGPU
メモリ 16 GB以上
CPU 8コア以上(動力学計算時)

Windows on ARM(ネイティブ・実験的) : ネイティブARM64ビルドのポータブル版(ReciPro-v.X_arm64.zip、self-contained のため .NET Runtime のインストール不要)をリリースページで実験的に公開しています。通常のx64版もARM64版Windows内蔵のエミュレーションで動作します。導入手順と制限はトラブルシューティングを参照してください。

macOS(非公式) : ReciProの公式サポートはWindowsのみですが、win-x64版ポータブルZIPをWineラッパーの Sikarugir と OpenGL互換ドライバ Mesa3D と組み合わせることで、macOS(Apple Silicon)上で動作したという報告があります。ユーザーによる導入手順が https://github.com/Ryo-fkushima/ReciPro_macOS_memo で公開されています。なお、この方法は公式サポート外で、一部の記号(Å・上付き文字・矢印など)が文字化けする既知の問題があります。ARM64版ZIPは macOS + Wine では動作しません。また、現行の「x64版 + Rosetta 2」方式は macOS 28(2027年秋)以降は動作しなくなる見込みです — 詳細はトラブルシューティングを参照してください。

マニュアルの読み方

この GitHub Pages 版が現在の正本です。画面左のナビゲーションから章を選ぶか、右上の検索で機能名やUIラベルを検索してください。旧PDF版は過去版の参照用です。

クイックスタート

  1. Releases からダウンロード・インストール。
  2. 内蔵の結晶リスト(約80結晶)から結晶を選択。CIFファイルのインポートや CSManager も利用可能。
  3. 右パネルの各機能(Structure Viewer、Stereonet、Crystal Diffraction、HRTEMシミュレーション等)を呼び出す。
  4. マウスドラッグや晶帯軸・面指数の入力で結晶を回転。

引用文献

Y. Seto, "ReciPro: free and open-source multipurpose crystallographic software integrating a crystal operation interface and diffraction simulators," J. Appl. Cryst. 55, 397–410 (2022). https://doi.org/10.1107/S1600576722000139

ライセンス

ReciProは MITライセンス の下で配布されています。