ポテンシャルシミュレーション¶
ポテンシャルシミュレーションは、結晶ポテンシャルの2次元分布を計算・表示します。TEM/STEMの像伝達効果(レンズ収差・検出器)をかけず、投影された結晶ポテンシャルそのものを可視化します。
このページは、イメージモード = ポテンシャル を選んだときに右側に現れる設定項目をすべて掲載します。結果の表示・明るさ調整など左側の操作は まとめページ を参照してください。
概要¶
結晶内の電子は結晶ポテンシャルの影響を受けて散乱されます。ポテンシャルの分布は回折・結像現象の基礎であり、結晶構造を理解するための重要な情報です。本モードはレンズ収差や厚さ依存の動力学効果を含まないため、構造そのものの確認に適します。
ポテンシャルモードでは、試料厚み・強度の規格化・画像モード(単一/シリーズ)のパネルは表示されません。 TEMの条件のうち有効なのは加速電圧のみです。
TEMの条件¶
- 加速電圧 (kV) : 加速電圧。電子波長を決め、ポテンシャルのフーリエ係数 \(U_g\) の計算に用いられます。
デフォーカス・Cs・Cc・β・ΔV・CTF はポテンシャルモードでは無効です(結像光学を適用しないため)。グレーアウト表示になります。
ポテンシャルオプション¶
表示するポテンシャルの種類と表示形式を選びます。
ポテンシャルの種類¶
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| \(U_g\): 弾性散乱ポテンシャル | 弾性散乱を担う結晶(静電)ポテンシャル。散乱の強さを表します |
| \(U'_g\): 吸収ポテンシャル | TDS(熱散漫散乱)に由来する虚(吸収)ポテンシャル。弾性チャネルからの損失を表します |
\(U_g\) と \(U'_g\) は同時に表示できます(チェックした分だけペインが並びます)。
表示方法¶
| モード | 内訳 |
|---|---|
| 振幅と位相 | 両方 / 振幅のみ / 位相のみ(位相はカラーホイールで表示し、下に位相スケールが出ます) |
| 実数部と虚数部 | 両方 / 実数部のみ / 虚数部のみ |
生成画像¶
- Size (W×H) : 生成する画像のピクセル数(既定 512×512)。
- 解像度 : サンプリング分解能 (pm/px)。
回折波の数¶
- 最大ブロッホ波数 : ポテンシャルのフーリエ合成に含めるブロッホ波(フーリエ係数)の最大数(既定 80)。多くするほど高い空間周波数まで含まれ、ポテンシャルの細部が再現されます。
画像の調整(左側)¶
明るさ(Min / Max)、カラースケール、単位胞グリッドの重畳などは、左側の 画像調整・表示オプション で行います(まとめページ 参照)。




